三菱電機は、「第1回 パワーデバイス&モジュール EXPO」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)に出展し、xEV(電動車)用インバーターの小型化を可能にするSiC/Siパワー半導体モジュール「J3シリーズ」を展示した。
三菱電機は、「第38回ネプコンジャパン」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)の構成展として初めて開催された「第1回 パワーデバイス&モジュール EXPO」に出展し、2024年1月23日に発表したxEV(電動車)用インバーター向けSiC(炭化ケイ素)/Si(シリコン)パワー半導体モジュール「J3シリーズ」を展示した。
J3シリーズは、自動車市場で多くの実績がある三菱電機のT-PM(Transfer molded Power Module:トランスファーモールド型パワーモジュール)の最新世代となる製品。SiC-MOSFETまたはRC-IGBTを搭載した「J3-T-PM」の他、アルミフィンにJ3-T-PMを3個搭載する「J3-HEXA-S」や、J3-T-PMを6個搭載する「J3-HEXA-L」をそろえる。
J3-T-PMは、これまでグリスを用いていた冷却器との接続について、はんだ接合を可能にしたことで、同社の従来製品比で熱抵抗を30%削減し、モジュールサイズを約40%まで小型化した。さらに、J3-T-PM内部のインダクタンスは従来製品比で30%低減していて、高速スイッチングにも対応する。
同社 半導体・デバイス第一事業部 事業部長の楠真一氏は「同じ容量で比較すると、他社製品と比較しても業界最小クラスで、エネルギー効率も高水準だ」と説明した。
J3シリーズのサンプル提供は2024年3月25日から順次開始する。量産開始は2025年以降を見込んでいる。
ネプコン2024の同社ブースでは、ウエハーのサンプルも展示された。SiC-MOSFET搭載品は、サンプル提供段階では6インチのSiCウエハーを使用し、量産開始時点で8インチでの生産を目指している。RC-IGBT(Si)搭載品は、サンプル提供段階では8インチのシリコンウエハーを使用し、量産開始時点では12インチ(300mm)での生産を目指す。
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