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三菱電機、300mmウエハーライン設置を完了2024年度から量産開始へ

三菱電機が、福山工場に300mmシリコンウエハー対応生産ラインの設置を完了した。パワー半導体チップを試作/評価した結果、設計通りの性能が得られたことを確認したといい、2024年度から同ラインで量産開始する予定。

» 2023年08月30日 10時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 三菱電機が福山工場(広島県福山市)への300mm(12インチ)シリコンウエハー対応生産ライン設置を完了したと発表した。300mmウエハーライン設置は同社としては初めて。

12インチシリコンウエハーと抵抗測定器(左の作業者が持つウエハーが今回設置ラインで製造する12インチ、右は8インチ)[クリックで拡大] 出所:三菱電機 12インチシリコンウエハーと抵抗測定器(左の作業者が持つウエハーが今回設置ラインで製造する12インチ、右は8インチ)[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 三菱電機は、同社の半導体・デバイス事業の売上高の約75%(2022年度実績)を占めるパワーデバイス事業を重点成長事業として位置付けていて、売上高、営業利益率を2025年度にそれぞれ2400億円以上、10%以上にまで拡大(2022年度は売上高2100億円、営業利益率8.4%)する目標を掲げている。

 同社は目標達成に向け、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を核とした成長基盤の強化を進めるとともに、主力のシリコン製品において製品ポートフォリオ変革および生産性の向上を推進。この生産性向上においては、ウエハー製造(前工程)の生産能力を2025年度までに2020年度比約2倍に増強する計画を進めている。

 三菱電機は2020年6月、パワー半導体の新製造拠点として福山工場を設置すると発表。2021年11月には稼働を開始し、2022年4月、8インチ(200mm)ウエハーでの量産を始めていた。同工場では、三菱電機として初となる300mmウエハーラインについても2024年度の量産開始を目指して構築を進めていて、今回、生産ラインの設置が完了したことを発表した。なお、同生産ラインで製造したウエハーを用いたパワー半導体チップを試作/評価した結果、設計通りの性能が得られたことを確認したという。同社は、計画通り2024年度から300mmウエハーラインでの量産を開始する予定だ。

 三菱電機は「当社は、生産効率に優れる12インチウエハー対応生産ラインの導入により、パワー半導体の生産能力を増強し、市場へ安定供給することで脱炭素社会の実現に貢献する」と述べている。

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