三菱電機は、xEV用インバーターの小型化を可能にするSiC/Siパワー半導体モジュール「J3シリーズ」を開発した。2024年3月25日より順次サンプル出荷を始める。
三菱電機は2024年1月、xEV(電動車)用インバーターの小型化を可能にするSiC/Siパワー半導体モジュール「J3シリーズ」を開発したと発表した。2024年3月25日より順次サンプル出荷を始める。
J3シリーズとして今回は6製品を発表した。「J3-T-PM」としては、「SiC-MOSFET搭載品」と「RC-IGBT(Si)搭載品」の2製品を用意した。また、アルミフィンにJ3-T-PMを3個搭載した「J3-HEXA-S」や、J3-T-PMを6個搭載した「J3-HEXA-L」も、合計4製品を投入する。
J3-T-PMは、冷却器とはんだ接合することで、熱抵抗を従来に比べ約30%も低減できる。このため、モジュールのサイズは約40%まで小型化が可能となった。さらに、J3-T-PM内部のインダクタンスは従来に比べ30%低減していて、高速スイッチングにも対応する。
低損失で高速駆動が可能なトレンチ型のSiC-MOSFETを搭載した製品は、xEVの航続距離延伸と電費改善を可能にする。定格電圧1300V、定格電流350Aである。一方、RC-IGBT(Si)搭載品は、定格電圧750V、定格電流400Aである。RC-IGBT(Si)はIGBTとフリーホイールダイオード(FWD)を1チップに集積し放熱性を向上させた。これにより、パワー半導体モジュールやインバーターを小型化できるという。
J3-HEXA-Lは、アルミフィンの採用などにより熱抵抗を従来に比べ約20%低減した。小型化も実現している。従来品に比べ、J3-HEXA-Lは約65%、J3-HEXA-Sは約60%も小さくした。
なお三菱電機は、2024年1月24〜26日で開催中の「第38回ネプコン ジャパン」(東京ビッグサイト)にて、新製品を展示している。ブースレポートは別途公開する。
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