今回は、第3章第4節第4項(3.4.4)「ダイボンディングおよび電極ボンディング技術」の概要を説明する。
電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。
前々回から、第3章第4節(3.4)「パッケージ組立プロセス技術動向」の内容説明に入った。第3章第4節は、第1項から第9項までの9個の項目で構成される。内容は、パッケージを組み立てるための要素技術の説明である。
前々回は第3章第4節第2項(3.4.2)「ハイブリッドボンディング」、前回は第3章第4節第3項(3.4.3)「ウエハ(チップ)薄型化技術とウエハハンドリング」の概要をご報告した。今回は第3章第4節第4項(3.4.4)「ダイボンディングおよび電極ボンディング技術」の概要をご説明する。
「3.4.4 ダイボンディングおよび電極ボンディング技術」は、以下の2つの項目で構成される。「3.4.4.1 ダイボンディング技術」と、「3.4.4.2 電極ボンディング技術」である。「3.4.4.2 電極ボンディング技術」はさらに、「(1)ワイヤーボンディング技術」と「(2)フリップチップボンディング技術」に分かれる。
「ダイボンディング」工程とは通常、シリコンダイ(半導体チップ)をパッケージ基板やリードフレームのダイパッド、中間基板(インターポーザ)、シリコンダイなどに搭載、接着する工程を指す。ダイの搭載、接着にはダイボンディング装置(ダイボンダー)、接着材には導電性フィルムやDAF(Die Attach Film)、銀(Ag)ペースト、はんだなどが使われる。
特にDAFはダイシングフィルムの粘着面にダイボンディング用接着剤を塗布したフィルムであり、ダイシング工程とダイボンディング工程を連続して実施できるという利点がある。このため近年は、DAFの採用が増えている。
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