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今後は「PSoC」ブランドを前面に――Infineonが非車載用マイコンの戦略を発表成長見込むIoT市場への投資を加速(1/2 ページ)

インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは2024年3月1日、IoT、Compute&Wireless事業に関する記者説明会を実施し、PSoCシリーズに「PSoC Edge」「PSoC Control」「PSoC Connect」の3つのファミリーを新たに追加すると発表した。【修正あり】

» 2024年03月15日 13時30分 公開
[半田翔希EE Times Japan]
Infineon Technologies ICW事業担当 エグゼクティブバイスプレジデントのSam Geha氏 Infineon Technologies ICW事業担当 エグゼクティブバイスプレジデントのSam Geha氏[クリックで拡大]

 Infineon Technologies(以下、Infineon)の日本法人であるインフィニオン テクノロジーズ ジャパンは2024年3月1日、同社のIoT(モノのインターネット)向けマイコンやワイヤレス事業(IoT、Compute&Wireless[ICW]事業)に関する記者説明会を開催し、非車載用マイコンを「PSoC」ブランドに統合して展開していくと語った。

 Infineonは現在、産業用、民生用といった非車載用のArmコアマイコンとして、「XMC」や、2020年に買収した旧Cypress Semiconductor(以下、Cypress)の「PSoC」などを展開している。Infineonによれば、今後新たに開発される非車載用のArmコアマイコンは、PSoCブランドとして展開されるという。

 Infineon ICW事業担当 エグゼクティブバイスプレジデントのSam Geha氏は、今後の戦略について、「PSoCという名前は、既に広く知られたブランドとして親しまれている。XMCなどの既存ブランドもわずかな変更を加えながら残しつつ、今後はPSoCブランドを中心に新製品を発表する」と語った。なお、Wi-Fi/Bluetoothといった無線通信ICの一部(マイコン機能を持たないもの)については既存の「AIROC」ブランドを継続する。Geha氏によると、Infineonの無線通信ICは、他社のマイコンと組み合わせて使用したいという需要もあるという。

マイコンおよびワイヤレスコネクティビティ製品のロードマップ マイコンおよびワイヤレスコネクティビティ製品のロードマップ[クリックで拡大] 出所:Infineon

 さらに、IoT向けとして、「Embedded World 2024」(2024年4月9〜11日/ドイツ・ニュルンベルグ)で「PSoC Edge」の詳細を公開した後、2024年内に産業機器向けの「PSoC Control」、Wi-Fi/Bluetooth向け「PSoC Connect」の3つの新ファミリーを順次発売する。

 エッジAI(人工知能)向けとなるPSoC Edgeは、ML(機械学習)で強化されたセンシング機能を備えた、高性能かつ低消費電力のマイコンだ。セキュリティについて、PSAレベル4までの安全性を確保していて、高性能なHMI(Human Machine Interface)の構成を実現する。

 PSoC Controlは、モーターと電力制御に特化したマイコンだ。SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップパワー半導体に対応している。安全性能はPSAレベル3まで対応していて、機能安全規格のClass B/SIL 2に準拠した安全性を備える。

 PSoC Connectは、最先端のWi-Fi 6/7およびBluetooth 5/6に対応した無線通信機能ととPSoCの性能を1つのSoC(System on Chip)に統合したものだ。消費電力の低いIoT向けWi-Fiを採用していて、次世代Bluetooth Low EnergyおよびIEEE802.15.4(「Thread」)にも対応する。

2024年内に発表する3つの新マイコンPSoC Edgeの概要 左=2024年内に発表する3つの新マイコン/右=PSoC Edgeの概要[クリックで拡大] 出所:Infineon
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