SK hynixがHBM3Eの量産を開始した。2024年3月下旬から顧客に供給する予定としていて、NVIDIAの新世代GPU向けとみられる。
SK hynixは2024年3月19日、広帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory:HBM)の最新世代品であるHBM3Eの量産を開始し、同月下旬から顧客に供給すると発表した。NVIDIAの新世代GPU向けとみられる。
生成AI(人工知能)の発展を受け需要が急増しているHBM。台湾の市場調査会社TrendForceによれば現在の主流であるHBM3では、NVIDIAの「H100 Tensor コア GPU」に対して単独サプライヤーと供給しているSK hynixが市場シェア90%以上を占めている状態だという。ただ、NVIDIAは2024年第2四半期に出荷開始予定の「H200 Tensorコア GPU(以下、H200)」や2024年3月に発表した「B200 Tensor Core GPU(以下、B200)」でHBM3Eを採用する予定で、TrendForceは「2024年以降、市場の注目はHBM3からHBM3Eに移る。2024年後半にかけて徐々に生産が拡大し、HBM3EはHBM市場の新たな主流となるだろう」としている。
SK hynixは2023年8月、HBM3Eの開発に成功し、2024年上半期から量産予定と発表していた。NVIDIAはH200について既にSK hynix製HBM3Eの採用を明かしているが、2024年2月にはMicron Technology(以下、Micron)が同社のHBM3EをH200向けに出荷すると発表。NVIDIAはサプライヤーの多様化を進めている。また、Samsung Electronics(以下、Samsung)もMicronの発表の翌日、「業界初」(同社)とする12層の36Gバイト HBM3Eを開発したことを発表していて、今後、競争の激化が予想される。
なお、TrendForceの調査によると、Micronは2023年7月末までに、SK hynix、Samsungはそれぞれ同年8月、10月にNVIDIAにHBM3Eのサンプルを提供していたという。
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