神戸大学と国立中興大学(台湾)は共同で、幅広い電圧変動に対応しつつ、電力変換効率が98%以上という「双方向型の直流電力変換器(BDC)」を開発した。
神戸大学大学院海事科学研究科/水素・未来エネルギー技術研究センターの三島智和准教授らによる研究グループは2024年4月、国立中興大学(台湾)の頼慶明教授と共同で、広い電圧変動に対応しつつ、電力変換効率が98%以上という「双方向型の直流電力変換器(BDC)」を開発したと発表した。
商用電力と太陽光発電や風力発電などの再生エネルギーおよび、バッテリーを組み合わせた「マイクログリッド」と呼ばれる自律分散型電源では、幅広い電圧変動への対応や高い電力変換効率などが求められている。これらの課題を解決するため、これまでは回路の規模が大きくなったり、高周波変圧器を用いたりしていた。
研究グループは今回、4相インターリーブ・フローティング構造とチャージポンプ方式を活用することで、幅広い電圧変動に対応した。試作した電力容量1kWで動作周波数50kHzのBDCは、高周波変圧器を用いずに最小39分の1倍の降圧比から最大39倍の昇圧比を達成。降圧比、昇圧比のいずれもその範囲は、従来回路に比べ最大2倍まで拡大した。
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