ロームは、アナログとデジタルの長所を融合した電源ソリューション「LogiCoA(ロジコア)」の提供を始めた。小〜中電力帯で動作する産業用ロボット機器や半導体製造装置などの用途に向ける。
ロームは2024年4月、アナログとデジタルの長所を融合した電源ソリューション「LogiCoA(ロジコア)」の提供を始めた。小〜中電力帯(30W〜1kWクラス)で動作する産業用ロボット機器や半導体製造装置などの用途に向ける。
中電力帯で動作する産業機器などではこれまで、アナログ制御電源を用いることが多かった。最近では、これらの電源でも高い信頼性や細かい制御が求められており、新たな対応が必要となってきた。一方、フルデジタル制御電源は細かい制御などが可能な半面、デジタルコントローラの電力消費やコストの面で課題もあり、小〜中電力帯で動作する応用機器には採用が進んでいなかった。
LogiCoAは、フルデジタル制御電源と同等の機能を、アナログ制御電源レベルの電力消費とコストで実現する「アナデジ融合制御」電源である。開発中のLogiCoAマイコンに、電流や電圧などの設定値を記憶できる。これにより、電源回路を構成する周辺部品の性能にばらつきがあっても、それを補正できる。また、動作ログデータはマイコンに内蔵された不揮発性メモリに記録される。このため、不具合が発生しても速やかにその原因を検証することが可能である。
LogiCoA電源ソリューションに搭載されるLogiCoAマイコンは、2024年6月より量産を始める予定だ。LogiCoAマイコンは、動作周波数が最大16MHzの16ビットRISC CPUコアを始め、3chのアナログコンパレーターや8ビットD-Aコンバーターなどを集積しており、さまざまな電源トポロジーに対応できるという。動作電圧は4.5〜5.5Vである。
なお、ロームの公式サイト上には、LogiCoAマイコンの機能を確認できる評価用レファレンスデザイン「REF66009」が用意されている。ロームが提供するレファレンスボード「LogiCoA001-EVK-001」やサンプルソフトウェアを用いれば、実行タスクのシーケンス制御や各種パラメーターのモニター機能などを実機で検証することができる。
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