デバイス技術に関するVLSI Technologyシンポジウムには、前回比30%増となる355件の論文が投稿され、うち26%にあたる94本が採択された。採択論文の約60%にあたる57本がアジア圏からの投稿だった。Late Newsには11件の投稿があり、うち1件が採択された。
地域別でみると、この数年で中国と韓国からの投稿数が増加している。投稿数は中国が最多だが、採択数は韓国が最多だった。なお、韓国の採択論文はSamsung Electronics(以下、Samsung)からのものが目立ったという。
分野ごとにみると、投稿論文/採択論文ともにメモリ/プロセス/デバイス原理および信頼性についての論文が多い。メモリ分野では3D DRAMや3D NAND型フラッシュメモリについての発表が多くみられたという。
投稿機関は、250件が大学、105件が産業界だった。2022年以降、特に中国の大学からの発表が増加しているという。機関別にみると、採択数はSamsungが最多の15件で、10件のimecが続く。日本から複数の論文が採択されたのは東京大学(3件)、キオクシア(2件)、ソニーセミコンダクタソリューションズ(2件)だった。
回路設計に関するVLSI Circuitsシンポジウムには、前回比50%以上増となる542件の論文が投稿され、うち25%にあたる138件が採択された。Late Newsには7件の投稿があり、うち1件が採択された。Technologyシンポジウム同様、中国をはじめとするアジア圏の投稿が大きく増加した。採択数でもアジア圏が欧米を大きく超えたものの、日本の採択数は前回の16件から7件に減少した。
分野別でも、ほぼ全分野で投稿数が増加した。投稿数はAI技術を含むプロセッサ分野が151件と最多だったが、採択率は低い。一方、センサー分野とバイオメディカル分野は採択率が高かったという。
投稿機関は80%以上が大学だった。産業界からの投稿は減少傾向にあったが、10年間で初めて20%を切った。特に、中国/マカオからの投稿論文はほぼ全てが大学によるものだったという。採択数を機関別にみると、KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)が最多の13件で、IntelとSamsungが8件で続く。日本で3件以上の論文が採択されたのは東京工業大学(3件)だった。
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