2024年度の業績について、売上高は2023年度比3.6%増の1兆7000億円、営業利益は同39.2%増の3000億円を計画している。売上高はリチウムイオン二次電池やコネクティビティモジュールの減少を見込むものの、モビリティやコンピュータ向けを中心に増加すると見る。営業利益は操業度の改善やコストダウンなどの増益要因を見込んでいるという。
2024年度のコンピュータ市場におけるMLCCの需要について、村田製作所 セラミックコンデンサ事業本部 本部長の大森長門氏は「PC向けは在庫調整からの回復により、底堅く推移するのではないか。サーバ向けは、特にAI(人工知能)サーバ用に大容量品の需要が増えてくると見込んでいる」と述べた。
2024年度の設備投資は、2023年度比295億円減の1900億円を計画。土地建物投資を中心に減少するが、将来の部品需要拡大に備えて増産投資は継続する。
2023年度は在庫の消化のために大きく生産高を落としていたが、2024年度は生産高を増やし、在庫も微増となる見込みだという。
事業環境については、売上高に関して、xEV(電動車)を中心としたモビリティ向け需要の増加や、在庫調整の収束による部品需要の回復などを業績予想に織り込んだ。業績予想に織り込んでいないリスクとしては、自動車生産台数の下振れや電動化の遅れ、需給軟化による値下げ圧力の高まり、円高の進行などがあるという。
2024年度の部品需要については、スマホ需要は2023年度比3%増、自動車需要は横ばいと見る。ただし、自動車のうちのxEVの比率は上昇すると予想した。
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