図4は、2011年以降、CoWoSがどのように世代交代してきたかを示している。まず、世代とともにシリコンインターポーザーが巨大化していることが分かる。また、HBM搭載数も増え続けている。
図5は、CoWoSの第1世代から第6世代まで、搭載されたLogicチップの種類、HBMの規格と搭載数、シリコンインターポーザーの面積、12インチウエハーから取得できるインターポーザーの数を一覧表に示したものである。
まず、第3世代以降、搭載されるHBMの個数が1.5倍ずつ増え続けていることが分かる。また、HBMの規格も変遷しており、高性能化が図られている(この詳細は後述する)。さらに、インターポーザーの面積が大きくなるにつれて、12インチウエハーから取得できるインターポーザー数が減少する。
ただし、この取得数は、単純に「12インチウエハーの面積をインターポーザーの面積で割り算した値」であり、現実の取得数はもっと少なくなる。
その具体例を図6で説明する。2023年にリリースされた6世代のCoWoSのインターポーザーの面積は3400mm2であるが、これを仮に正方形だとすると、58mm×58mm(58mm□)になる。この58mm□を12インチウエハーに並べた場合、ウエハーエッジにかかったインターポーザーは全て不良品となる。すると、58mm□のインターポーザーは、12インチウエハーから最大9個しか取得できない。
加えて、インターポーザー上に配線層とTSVを形成するが、その歩留りは60〜70%程度であるため、12インチウエハーから取得できる良品のインターポーザーは、せいぜい6個ということになる。
なお、この58mm□のインターポーザーでつくられるCoWoSの代表的なGPUが、市場で奪い合いになっていて、4万米ドルものべら棒な価格で取引されているNVIDIAの「H100」である。
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