TEは、HEV(ハイブリッド自動車)/EV(電気自動車)向けの大電流コネクター「CSJシリーズ」を紹介した。定格電圧は1000V、電流容量は同社従来製品(一部1000V対応品を含む)と比較して25%向上させている。ワイヤ出口は90/180度の2つを用意。SG3レベルの耐振動性を持っていて、LV215-2、IP6K9K、IP67、IPXXB、V0にも準拠している。
電流容量を向上できた理由について、担当者は「端子構造を刷新して低い接触抵抗を実現した。このため、過剰な温度上昇を抑え、同程度のサイズであってもより多くの電流を流せるようになった」と説明した。
CSJシリーズは、HEV/PHEV(プラグインハイブリッド自動車)/BEV(バッテリー式電動自転車)の電動パワートレーンシステムにて求められる電流容量をカバーするシリーズとして複数製品を用意している。ブースでは、電線サイズと定格電流(85℃時)が異なる「CSJ1200」「CSJ1800」「CSJ2100」の3製品が展示された。
CSJ1200は、電線サイズが10/16/25mm2を用意していて、定格電流は85/100/125A。CSJ1800は、電線サイズが25/35/50/70mm2、定格電流は220/250/280A。CSJ2100は、電線サイズが50/70/95mm2、定格電流は250/300/350Aだ。いずれも2023年から量産提供している。
また、同社は、日本市場向けに、電線サイズが95/120mm2、定格電流が392/450Aの「CSJ2600」も提供している。開発背景について、担当者は「日本の自動車メーカーは、世界のEV市場では一歩遅れている状況だ。海外勢と渡り合うには充電性能が高い車両の開発が必要になるので、急速充電に対応できる大電流コネクターの需要が大きい」と説明した。
同社は、カメラ用の同軸コネクターも展示した。「MATE-AX」は最大9GHzまで対応する小型同軸コネクターで、USCAR規格に準拠したインタフェースだ。「FAKRA」は6GHzまで対応した同軸コネクターで、USCAR FAKRA規格に準拠している。後面ケースは樹脂/金属から、基板コネクターはフローティングの有無を選択できる。いずれも同社従来製品よりも小型化した他、通信速度に合わせて製品を複数用意することで、自動運転技術の活用拡大と共に増加する幅広い需要にも対応していく。
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