Nordic Semiconductorはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2024」で、最新のセルラーIoT(モノのインターネット)プロトタイピングプラットフォーム「Nordic Thingy:91 X(以下、Thingy:91 X」を先行公開した。LTE-M/NB-IoTやGPSのほか、非セルラーの5G無線標準「DECT NR+」やWi-Fi位置情報にも対応する製品だ。2024年中の展開を予定しているという。
Nordic Semiconductor(以下、Nordic)はドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2024」(2024年4月9〜11日)において、最新のセルラーIoT(モノのインターネット)プロトタイピングプラットフォーム「Nordic Thingy:91 X(以下、Thingy:91 X)」を先行公開した。
セルラーIoT(LTE-M/NB-IoT)やGPSのほか、非セルラーの5G(第5世代移動通信)無線標準である「DECT NR+」、Wi-Fi位置情報にも対応する製品で、資産追跡などさまざまなアプリケーションの容易かつ迅速なプロトタイピングを実現する。2024年中の展開を予定しているという。
Nordicは2019年に、容易にセルラーIoTをプロトタイピングできるプラットフォームとして「Nordic Thingy:91(以下、Thingy:91)」を発売した。Thingy:91はGPSも搭載したセルラーIoT SiP(System in Package)「nRF9160」をベースに、Bluetooth 5やNFCなどの近距離無線技術をサポートするSoC(System on Chip)や環境センサーなど複数のセンサー、バッテリーなどを6cm×6cmのケースに納めたもので、「“設定不要ですぐに”運用でき、セルラーIoTプロトタイプの開発をわずか数日で可能にする」という製品だ。今回の「Thingy:91 X」は、その後継品としてさまざまなアップデートが施されたものだという。
まず、Thingy:91 Xでは、Nordicが2024年2月に発表した、LTE-M/NB-IoT、DECT NR+モデム、GNSSを統合した低消費電力SiP「nRF9151」をベースに構成している。nRF9151は、64MHzのArm Cortex-M33コアを採用したSoCの他、アプリケーションプロセッサ、RFフロントエンド、電力管理ICなどを1パッケージにしたSiPだ。今回、いずれもNordic製のチップを採用しているといい、高度な統合によって、サイズは12×11mmと、既存品であるnRF9160およびnRF9161(10×16mm)と比較してフットプリントを約20%削減。さらに、新たに送信出力Class5 20dBmも対応し、「バッテリー駆動製品の要件が軽減され、設計に大きな柔軟性をもたらす」などと説明している。
Nordicによると、資産追跡は同社のセルラーデバイスにとって最も大きな分野の一つだという。説明担当者は、「当社のデバイスは市場で最も効率的なセルラーIoTソリューションだ。これは、全てをSiPに統合することで実現している。顧客はこのSiP上で完全なアプリケーションを実行することができる」などと語っていた。
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