非セルラー5GやWi-Fi測位も対応 セルラーIoTプロトタイピングキットを先行公開:embedded world 2024でNordicが披露(2/2 ページ)
nRF9151は従来のLTE-M、NB-IoT、GNSSに加え、新たにDECT NR+にも対応している。世界初の非セルラー5G無線基準であるDECT NR+は、ライセンスフリーの1.9GHz帯を利用するため低コストで導入可能なほか、1km2当たり100万台の端末への同時接続が可能な拡張性や高い信頼性、低遅延(無線インタフェース上のデバイス間の遅延は1ミリ秒程度になるよう設計されているという)などが特長。大規模マシンタイプ通信(mMTC)および超高信頼/低遅延通信(URLLC)アプリケーション向けに大規模で拡張可能なプライベートネットワークを実現できる技術として展開が進められている。NordicはこのDECT NR+の採用を推進する団体、DECTフォーラムの正会員であり、対応ソリューションを積極的に提供している。
また、Thingy:91 Xでは新たに、Wi-Fi位置情報用としてデュアルバンドWi-Fi 6チップ「nRF7002」も搭載した他、Bluetooth LE、Thread、NFC用のSoCも「nRF5340」となっている。
さらに、包括的なシステム管理機能と効率的なバッテリー燃料計を備えたPMIC(電源管理IC)「nPM1300」も搭載していて、説明担当者は「環境による温度の変化でバッテリーのパーセンテージに影響があった場合も、当社のデバイスは非常に正確な情報を取得可能だ」などと強調していた。
会場では、同社のクラウドベースの位置情報サービス「nRF Cloud Location Services」とThingy:91 Xを組み合わせたデモを実施していた。
たくさんのThingy:91 Xを用いて資産追跡のデモを行っていた[クリックで拡大]
同サービスでは、精度は都市単位だが超低消費電力のシングルセル(SCELL)、シングルセルよりは精度が上がる一方で消費電力も増加するマルチセル(MCELL)、20〜30mレベルの精度を実現し屋内外でも利用可能だがより消費電力は上がるWi-Fi位置情報機能および、高精度だが消費電力も大きいアシスト型GPS(A-GPS)、予測GPS(P-GPS)といった位置情報サービスの最適化されたモデルが利用可能で、精度と電力消費のバランスによって選択可能となっている。デモでは、実際に各位置情報機能を用いたデバイスの位置を、それぞれ6角形で表示している様子が、センサーやバッテリーの情報などとともに表示されている様子が確認できた。
位置情報機能の種類によって6角形のサイズが異なる。右は拡大した様子[クリックで拡大]
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