ASMLはimecの年次イベントで、次世代のEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置のロードマップについて言及した。開口数(NA)が0.75の「Hyper-NA」リソグラフィ装置を開発中だという。
オランダの半導体製造装置メーカーであるASMLは、最大トランジスタ密度のチップの設計限界を超える新しいリソグラフィ装置の計画を再度発表した。
ASMLと緊密に協力してきた世界的な研究開発組織であるベルギーのimecによると、ASMLの元プレジデントのMartin van den Brink氏は、まだ開発の初期段階にある新しい「Hyper-NA」EUV(極端紫外線)技術を発表し、専門家を驚かせたという。Hyper-NAシステムは、ASMLが2024年初めに米国オレゴン州にあるIntelの半導体施設に初めて設置した「High-NA」システムに続くものとなる。
van den Brink氏は、2024年5月にベルギーのアントワープで開催されたimecの年次イベント「ITF World 2024」のプレゼンテーションで、「長期的には、照射システムを改良して、Hyper-NAに移行する必要がある。それと並行して、全てのシステムの生産性を1時間当たり400〜500枚に引き上げる必要がある」と語った。
High-NAは、開口数(NA)が前世代のEUVツールの0.33NAから0.55NAに上がっている。ASMLは3年程前に、「High-NAは少なくとも今後10年間、半導体メーカーが2nm世代をはるかに超えるプロセスノードに到達するのを支援するものとなる」と述べていた。van den Brink氏がITF Worldで提示した画像によると、現時点では、ASMLはNAが0.75のHyper-NAを2030年頃に提供する計画だという。
imecの先進パターニングプログラムディレクターを務めるKurt Ronse氏は、30年以上にわたりASMLと協力してリソグラフィ技術を開発してきた人物だ。同氏によると、ASMLがロードマップにHyper NA EUVを追加したのはこれが初めてだという。
同氏はEE Timesに対して、「0.55から0.75、0.85へとさらに高いNAの実現を目指して、現在、多くの研究を進めているが、Hyper-NAには新たな課題があることも確かだ」と語った。
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