日清紡マイクロデバイスと沖電気工業(OKI)が、アナログICをわずか数ミクロンに薄膜化し、それを3次元積層することに成功した。2026年の量産化を目指す。
日清紡マイクロデバイスと沖電気工業(以下、OKI)は2024年10月17日、アナログICを薄膜化し、それを3次元で集積化(積層)することに成功したと発表した。同日に記者説明会を開催し、詳細を説明した。同技術は、日清紡マイクロデバイスの「局所シールド技術」とOKIの「CFB(Crystal Film Bonding)」を活用したもので、2026年の量産化を目指すという。
両社が今回発表した技術は、ウエハー上の機能層に作りこんだアナログICを剥離し、別のアナログICを形成したウエハー上に接合するというもの。「アナログICの上に、アナログICを貼り付ける」イメージだ。剥離したアナログICは、厚みがわずか5μm程と極めて薄い。
薄膜化したアナログIC(薄膜アナログIC)を剥離し、別のウエハーと接合する技術には、OKIの独自技術であるCFBを用いた。CFBは、半導体デバイスの機能層を剥離して異なる材料基板に接合するというもの。接合には分子間力を利用するので、接着剤も特殊な装置も必要ない。CFB技術は、縦型GaNパワーデバイスの開発などにも利用されている(関連記事:「コスト9割減での縦型GaN実現へ、OKI/信越化の新技術」)。
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