ニコンが、アドバンストパッケージ向けに、1μm(L/S)の高解像度を実現するマスクレス露光装置の開発を進めている。2026年度中の発売を予定しているという。
ニコンは2024年10月22日、半導体のアドバンストパッケージ向けに、解像度が1μm(L/S(ライン/スペース))と高い「デジタル露光装置」の開発を進めていると発表した。2026年度中の発売を予定しているという。
デジタル露光装置は、回路パターンを表示したSLM(空間光変調器)に光源からの光を照射し、投影光学系を用いて基板に転写する装置。フォトマスクを使用しないので、マスク作成にかかるコストや時間を削減できることが特徴だ。フォトマスクを使わない露光装置は、ダイレクト露光装置、マスクレス露光装置とも呼ばれている。
AI(人工知能)技術の普及で半導体のさらなる高性能化が求められる中、チップレット集積などのアドバンストパッケージ分野への注目度が高まっている。アドバンストパッケージでは、配線パターンの微細化やパッケージの大型化に向けた開発が進んでいる。こうした背景から、大型化に適したガラスなどを用いたパネルレベルパッケージ(PLP)の需要拡大が見込まれていて、高い解像度と大きな露光面積を両立させた露光装置が求められるようになっている。
ニコンは、半導体露光装置で培った高解像度技術と、FPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置向けの「マルチレンズテクノロジー」による高い生産性を融合させたデジタル露光装置の開発に取り組んでいるという。マルチレンズテクノロジーは、複数の投影レンズを並べて精密に制御し、“巨大な1本のレンズ”を用いたかのように露光するニコン独自の技術。1回の露光で広い範囲にパターニングできるので、高い生産性を実現できることになる。
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