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UWB測距とレーダー、プロセッシング機能を1チップに搭載 NXP産業、IoT向けに(2/2 ページ)

» 2024年10月30日 14時30分 公開
[永山準EE Times Japan]
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「業界初」UWBチップの詳細

 SR250は、3D AoA(Angle of Arrival:到達角度)、TDoA(Time Difference of Arrival:到達時間差)をサポートし、±5cm以内の高精度ToF(Time of Flight)に対応。また、UWBのセキュア測距は2つのUWBデバイス間の通信によって実現するが、SR250は6G〜8.5GHzで動作するレーダーも搭載するため、存在や位置、さらに呼吸やジェスチャーなどの動きの検出を単一のチップで実現可能となる。同社は「これらの機能によって、さまざまなユーザーエクスペリエンスの向上や電化製品の効率の最適化、セキュリティと安全性の向上、そしてBOM(部品表)削減が可能になる」としている。

Trimension SR250の特長 Trimension SR250の特長[クリックで拡大] 出所:NXPジャパン

 なお、同社は2022年5月にもUWBレーダーと測距機能を組み合わせたIoT向けの「Trimension SR160」を発表していてSR250はその後継製品に当たるが、SR250では新たに、オンチップのレーダープロセッシングを統合。「チップにレーダーのアルゴリズムを搭載しているので、ホスト側のアプリケーションプロセッサでの複雑な処理が不要となり、最終製品のエネルギーとコストを節約できる」としている。

 例えば、ホストプロセッサがディープスリープモードの状態でも、SR250はオンチップの存在検出機能によって、移動する人や物体を感知できる。同社は「オンチップ処理は自律型ホームや産業用IoTにおいて欠かせない機能だ。ユーザーがスマートホームの部屋やスマート工場内の危険区域などあらかじめ定義されたゾーンに出入りした時に、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning:暖房、換気および空調)や自律型ロボットのオン/オフなどをシステムに実行させることが可能だ」と強調している。なお、バイタル監視などのより複雑なアルゴリズムなどの場合は、ホストプロセッサでの処理が必要となる。

 NXPは、開発と導入を簡素化するファームウェア、ミドルウェア、サンプルアプリケーションを提供する。これには、アップデートサポート付きのファームウェアや、UWBコマンドインタフェース用API、レーダー操作用のC言語APIを含むアップデート可能なミドルウェアおよび、レーダーアプリケーションとアルゴリズムのサンプルが含まれるとしている。

 SR250はサンプル出荷中で、2024年第4四半期に一般販売を開始する予定だ。

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