Siemensが、産業用シミュレーションおよびデータ解析ソリューションを手掛ける米国Altair Engineeringを約100億米ドルで買収すると発表した。2025年下半期に完了予定だ。
Siemensは2024年10月30日(ドイツ時間)、産業用シミュレーションおよびデータ解析ソリューションを手掛ける米国Altair Engineering(以下、Altair)を約100億米ドルで買収すると発表した。Siemensは、「Altairのシミュレーション、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、データサイエンス、AI(人工知能)の機能を『Siemens Xcelerator』と併用することで、世界で最も完全なAIを活用した設計およびシミュレーションのポートフォリオが実現する」などと述べている。2025年下半期に買収完了予定だ。
Altairは1985年設立の企業で、シミュレーションと分析、データサイエンスとAIおよびHPCの分野でソフトウェアとクラウドソリューションを提供している。米国ミシガン州トロイに本社を置き、従業員は3500人以降でそのうち約1400人が研究開発に従事している。
同社は2017年9月には、HPCソリューションを専門とし、主にCPU、GPU、SoC(System on Chip)などの半導体製品設計用EDAツール群を用いたサービスを手掛けるRuntime Design Automationを買収。さらに2022年6月には、自動回路図生成ツールや電子設計デバッグソリューションのサプライヤーであるConcept Engineeringを、2024年7月には半導体シミュレーションと設計検証のためのSimulation-as-a-Service(SaaS)ビジネスを手掛けるカナダのMetrics Design Automationを買収するなど、近年、複数の設計自動化分野で事業を拡大するための取り組みを進めていた。
AltairのCEO(最高経営責任者)であるJames Scapa氏は、「エンジニアリングソフトウェア分野における2つの強力な補完的リーダーが組み合わさることで、シミュレーション、データサイエンス、HPCにおけるアルテアの幅広いポートフォリオと、機械設計およびEDA設計におけるシーメンスの強力な地位が結び付くと考えている」と述べている。
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