図4は、SMICの四半期業績をグラフにしたものである。
対中規制のため、SMICはEUV露光装置を導入できないが、2023年に7nmプロセスの実現に成功した。SMICは正式にはコメントしていないが、このプロセスを活用したSoCがHuaweiの5Gスマホに搭載されていることが確認されている。恐らくSMICは、液浸ArF露光装置とマルチパターニング技術を駆使して7nmプロセスを実現した可能性が高い。Huaweiは3つ折り式5Gスマホ「Mate XT Ultimate Design」をリリースし、世界市場でも注目を集めている。対中規制がさらに強化される中、SMICが5G対応SoCをどれだけ量産できるのか、量産したところで採算が取れるのだろうか。図4を見て分かる通り、売り上げは伸びているが営業利益率が低い。規制のために最適な装置を導入できないことも原因の1つと推察される。
図5は、UMCの四半期業績をグラフにしたものである。
直近ではSMICに抜かれて4位に転落したが、営業利益は安定している。UMCはFinFETプロセスの量産実績がなく、実質的には22nmが同社の最先端プロセスである。従って減価償却負担も少ないが、事業を拡大できず、TSMCとの格差が大きく開いてしまった。しかし2024年1月にIntelとの提携を発表し、新しい12nmプロセスプラットフォームを共同開発する。この提携は、FinFETプロセスの実績がなかったUMCと、プロセスコストが高くて顧客に敬遠されているIntelという双方にとってプラスが期待できる提携だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.