リチウムイオン電池向けマンガン系正極材料を開発:高電位領域における課題を解決
三井金属は2024年11月、レアメタル新溶液材料「iconos(イコノス)」を活用し、リチウムイオン電池に向けたニッケルマンガン酸リチウム正極材料(LiNi0.5Mn1.5O4/LiMn2O4)を開発した。
三井金属は2024年11月、レアメタル新溶液材料「iconos(イコノス)」を活用し、リチウムイオン電池に向けたニッケルマンガン酸リチウム正極材料(LiNi0.5Mn1.5O4/LiMn2O4)を開発したと発表した。
iconosを活用し被覆処理を施したニッケルマンガン酸リチウム正極材料の外観[クリックで拡大] 出所:三井金属
ニッケルマンガン酸リチウム(LNMO)は、高出力で高いエネルギー密度を実現できる正極材料である。しかし、高電位領域における電解液との副反応によって、正極成分からマンガンが溶出したり、ガスが発生したりする可能性がある。これらが、実用化に向けて課題となっていた。
三井金属はこれまで、iconosを活用しニッケルマンガン酸リチウム正極材料への応用を検討してきた。そして今回、P-Taで正極材料を被覆すれば、高電位領域における従来の課題を解決できることを突き止めた。この技術を用いると、LiNi0.5Mn1.5O4の他、LiMn2O4正極材料においても、その効果が得られることを確認した。
三井金属は今後、新たな電池用「iconos」の開発や、全固体電池材料への応用展開などを行う計画である。
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