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2024年は「エッジAIデバイス元年」 主要AI PCを分解この10年で起こったこと、次の10年で起こること(87)(2/3 ページ)

» 2024年11月27日 11時30分 公開

AMD「Ryzen」を採用したHPのAI PC

 図3は2024年7月に発売になったHPのCopilot+ PC対応「HP OmniBook Ultra 14-fd0005AU」の様子である。プロセッサはAMDのAPU(Accelerated Processing Unit : CPU + GPU)のCopilot+ PC対応版「Ryzen AI 300」シリーズを搭載する。2023年のAPU「Ryzen 8000」シリーズにもAI機能は搭載されていたが16TOPS性能でCopilot+ PCの要件に足りていなかった。Ryzen AI 300シリーズはNPU性能を3倍以上に引き上げた50TOPSを搭載するプロセッサとなっており、2024年7月以降、AI PCに搭載が始まっている。

図3:「HP OmniBook Ultra 14-fd0005AU」の様子[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 表2はAMD Ryzen APU 8000シリーズの「Ryzen 9 8945HS」とRyzen AI 300シリーズの「Ryzen AI 9 365」の比較である。AMDはチップセットを有しておらず、ともにMPS(Monolithic Power Systems)の電源系ICを組み合わせている。

表2:「Ryzen 9 8945HS」と「Ryzen AI 9 365」の比較 表2:「Ryzen 9 8945HS」と「Ryzen AI 9 365」の比較[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図4はRyzen 9 8945HSとRyzen AI 300のシリコン比較である。ともにCPU、GPU、NPUで構成されており、製造はTSMC 4nmとなっている。CPU、GPUともにアーキテクチャが最新のものに変更され、CPUはZen 4からZen 5、GPUはRDNA3からRDNA3.5となっており、さらにコア数が12コアから16コアにCPU、GPUともに増えている。CPUではZen 5を4コアと機能を絞ったZen 5C(コンパクト)8コアが搭載される構成となっている。同じTSMC 4nm製造で機能を増やしているのでシリコン面積は28%ほど増えている。2025年以降の次世代モデルでは3nm製造は間違いないので、4nm製造最後としてサイズアップで対応したものと思われる。

図4:Ryzen 9 8945HSとRyzen AI 300のシリコン比較 図4:Ryzen 9 8945HSとRyzen AI 300のシリコン比較[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

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