台湾の市場調査会社TrendForceによると、2024年第3四半期(7〜9月)の世界ファウンドリートップ10社の売上高合計は前四半期比9.1%増の348億6900万米ドルで、過去最高を更新したという。同社は、「この成長の一部は高価格である3nmプロセスの大幅な貢献によるもので、パンデミック時に記録した売上高を更新した」とコメントしている。
台湾の市場調査会社TrendForceによると、2024年第3四半期(7〜9月)の世界ファウンドリートップ10社の売上高合計は前四半期比9.1%増の348億6900万米ドルで、過去最高を更新したという。同社は、「成長の一部は高価格である3nmプロセスの大幅な貢献によるもので、パンデミック時に記録した売上高を更新した」と説明している。
TrendForceによると、2024年第3四半期は全体的な経済状況が大きく改善することはなかったものの、スマートフォンやPCの新製品発売によるサプライチェーン在庫の増加の他、AI(人工知能)サーバ関連のHPC(高性能コンピュータ)需要が引き続き旺盛だったことなどが要因となって、ファウンドリー全体の稼働率は第2四半期と比較して改善したという。
TrendForceは、2024年第4四半期には前四半期比の成長率はやや縮小するものの、先端プロセスが引き続きファウンドリートップ10社の売上高をけん引し、業績が二極化すると予想。「AIとフラグシップスマホおよびPCのメインチップは、年末まで5/4nmと3nmプロセスの需要を維持すると予想される。CoWoS先端パッケージは引き続き供給不足に直面するだろう」と述べている。
なお、28nm以上の成熟プロセスについては、最終市場での販売が不透明であることの他、2024年第3四半期に在庫が積み上がったTV用SoC(System on Chip)、LDDI、パネル関連PMICなどの周辺ICの在庫需要が大幅に減少することなどがマイナス要因となると説明。ただ、これらは中国のスマホブランドによる年末の出荷増や、中国の買い替えを促す補助金に刺激された消費増によって相殺される可能性が高いといい、「この結果、第4四半期の成熟プロセス稼働率は、前四半期と比較して横ばいか微増にとどまると予測される」とコメントしている。
ファウンドリートップ10社の売上高の順位は以下の通りだった。
TSMCがシェア64.9%でトップの座を維持している。TrendForceは、スマートフォンのフラグシップ製品、AI GPU、新型PC用CPUの相次ぐ立ち上げがTSMCの稼働率と出荷の増加を促進したと説明。売上高は前四半期比13.0%増の235億2700万米ドルとなった。
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