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赤字見通しのローム、新社長に東克己氏 「痛みを伴う改革も必要」人員削減の選択肢も

ロームは2025年1月、社長の交代を発表した。現職の松本功氏に代わって、東克己氏が就任する。2024年度通期業績が赤字の見通しとなったことを踏まえ、構造改革を目指す。

» 2025年01月20日 08時50分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 ロームは2025年1月17日、社長の交代を発表した。現職の松本功氏に代わって、2025年4月1日から専務執行役員 品質、生産、汎用デバイス事業、モジュール事業担当 兼 ローム・アポロ 社長の東克己氏が就任する。

ローム 新社長の東克己氏(左)と現社長の松本功氏(右) ローム 新社長の東克己氏(左)と現社長の松本功氏(右)[クリックで拡大] 出所:ローム

 社長交代の理由について、ロームは「企業価値向上に向けて、強固な経営基盤の構築を加速するため」としている。ロームは2024年11月、2024年度の通期業績が60億円の赤字になる見通しだと発表していた。

工場再編を検討 人員削減の選択肢も

 新社長の東氏は1989年にロームに入社し、ディスクリート生産本部長などを歴任した。2023年にはローム・アポロ 社長に就任し、2024年からはローム 専務執行役員 品質、生産、汎用デバイス事業、モジュール事業担当を兼任している。

 ロームが2025年1月17日に開催した記者会見で、東氏は「現在のロームは赤字見通し、株価低迷と厳しい状況にある。経営の一翼を担ってきた自分も深く反省している」とし、「利益の出る会社に戻すには痛みを伴う改革も必要だ。不退転の覚悟を持ってやり切る」と力を込めた。具体的には工場再編を検討するほか、人員削減という選択肢も「排除せず考えている」(同氏)という。

 東氏は、ロームの製品について「よく売れる製品はあるが、ロームにしかないオンリーワンの製品が少なくなってしまった」と分析し、今後は「顧客とのコンタクト回数を増やし、次に必要になるものを探す」「開発者が開発に専念できるよう、組織の変更も考える」とした。

 なお、2024年3月に発表していた東芝との半導体事業の提携強化については、両社のトップが話し合いを継続しているという。

 社長交代にあたって、新社長の東氏はローム・アポロの社長を退任予定。現社長の松本氏は相談役となる。

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