アドバンテストは、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を用いた次世代パワー半導体向けに、ダイレベルでの不良検査を提案している。2024年12月にはアドバンテストのダイプローバー「HA1100」とグループ会社であるCREAのパワー半導体用テスター「CREA MTシリーズ」を組み合わせ、ダイレベルテストソリューション「KGD Test Cell」を発表した。
通常、パワー半導体の不良検査はウエハーとモジュールの段階で行うことが多いが、モジュールに対して行う検査は高ストレスをかけるため、破損リスクが高い。検査時に破損するとそのモジュールに使用した良品ダイまで廃棄することになるほか、一部が溶けて検査装置に付着し清掃が必要になるなど、生産効率も低下する。
対して、ダイの時点でも検査を行えば不良ダイがモジュールに組み込まれることを事前に防げるため、モジュールの歩留まりが向上する。さらに、CREA MTシリーズにはエネルギー供給の制御機能が搭載されていてテスト中のダイ破損を防げるため、生産効率低下も防止できるという。
アドバンテストは「SiCやGaNといった次世代材料は製造プロセスが成熟していないこともあり、シリコン(Si)のデバイスよりも歩留まりが悪い。ダイの段階でふるいにかけることでロスを減らせる」としている。
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