米国EE Timesが調査したアナリストらによると、Intelは、経営立て直しの道を歩み始めるに当たり、一部新製品の発売を中止し、プロセス技術のロードマップを遅らせるという。同社の回復には数年を要するとみられる。
米国EE Timesが調査したアナリストらによると、Intelは、経営立て直しの道を歩み始めるに当たり、一部新製品の発売を中止し、プロセス技術のロードマップを遅らせるという。同社の回復には数年を要するとみられる。
米国の金融サービス会社であるCantor Fitzgeraldのシニアマネージングディレクターを務めるC.J. Muse氏によると、同社の暫定共同CEOに就任したMichelle Holthaus氏とDavid Zinsner氏は、プロセッサではAMD、ファウンドリー事業ではTSMCなど、競合他社との競争について、より現実的な見方を示しているという。
Muse氏はEE Timesに提供したレポートの中で「Intelの新しい共同CEOは初めて開催した電話会議で、バランスの取れた現実的なコメントを述べ、Intelの今後を待ち受けている重大な課題と、残念ながら即効性のある解決策はないという見解を強調した」と述べている。
Intelは2025年1月30日、2024年第4四半期の最終損益が前年同期の26億7000万米ドルの黒字から1億2600万米ドルの赤字に転落したと報告した。
前任のPat Gelsinger氏に代わって、Holthaus氏とZinsner氏が暫定共同CEOに就任してから約2カ月が過ぎた。Zinser氏は最高財務責任者(CFO)を兼任、Holthaus氏はIntel ProductsのCEOという新設の役職にも就任している。
Intelは、同社の中核であるCPU事業でAMDにシェアを奪われ、スマートフォンやAIチップなどの新規事業への参入にも失敗している。チップ製造部門であるIntel Foundryを独立した事業として分社化する取り組みには、おそらく何年もかかるだろう。Intel Foundryは、ファウンドリーリーダーであるTSMCに追い付く必要がある。
Holthaus氏は「初日から、われわれは戦略のより適切な実行に向けて取締役会と緊密に協力してきた。即効性のある解決策はない。粘り強い努力を通じて目に見える成果をもたらすことで、業績を改善し信頼を再構築することに全力を尽くしたい」とコメントしている。
米国を拠点とする市場調査会社Bernstein Researchのマネージングディレクターを務めるStacy Rasgon氏によると、この新たな信頼回復戦略には「Intel 18A」ノード立ち上げの減速も含まれているという。Intelは同技術によって、プロセス技術でTSMCに追随することを狙っている。
Rasgon氏はEE Timesに寄せたレポートの中で「Intel 18Aノードの健全性とプロセスロードマップに関するコメントは依然として前向きだが、同ノードの主力製品である『Clearwater Forest』のリリースは、1年遅れの2026年上半期に延期された」と述べている。Clearwater Forestは、チップレットと3Dスタッキングを組み込んだIntelの次世代「Xeon」データセンタープロセッサだ。
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