Intelは、2025年の設備投資費を約200億米ドルに削減する予定だ。その約半分は、政府補助金とパートナー企業からの寄付によるものだという。
Zinsner氏は「当社の資本展開は、今後やや保守的なものに見えるだろう。現在、建設中の資産の残高が約500億米ドル超に達していて、そのためバランスシート上には、実際にはまだ展開されていない資本がかなり残っている」と述べる。
Intelは、米商務省から最大78億6000万米ドルの補助金を受け取ることで合意している。
同社は、2024年第4四半期に11億米ドルを、さらに2025年1月には追加の11億米ドルを受領している。
Zinsner氏は「また、米国防総省との連携により、『Secure Enclave』の構築も順調に進んでいる。この取り組みを進展させていく上で、引き続きトランプ政権と連携し、米国の技術/製造リーダーシップを強化するための同政権の活動を支援していきたい」と述べる。
米商務省は2024年、CHIPS法に基づきIntelに最大79億米ドルの補助金を直接提供している。同省は、当時の声明の中で「この補助金は、Intelが1000億米ドル超の拡張計画の一環として、この先10年後までに実施を予定している900億米ドル規模の米国投資を支援するものだ。Intelが、そのマイルストーンを達成次第、資金を提供する予定だ」と述べている。
Zinsner氏によると、同氏はHolthaus氏とともに、トランプ新政権と複数レベルで会談を行ったという。トランプ大統領は、CHIPS法を「最悪だ」と批判しているが、低迷する米国半導体業界の復活を目指すこの法案に関して、同政権の正式な立場をまだ示していない。
半導体業界は、AIを持つ者と持たざる者とに分かれている。TSMCは、NVIDIAなどのメーカー各社にAIチップを提供しているが、対応できないほどの注文を抱えている。一方でSamsung ElectronicsやIntelら、より規模の小さいファウンドリーは、顧客獲得に苦労している。
TSMCは2025年、380億〜420億米ドルの設備投資を計画しているが、これはIntelの予想支出額のほぼ2倍にあたる。
Samsung2025年の設備投資計画を明らかにしていない。同社は2024年の業績に関する声明で、ファブ稼働率の低下および先端ノード技術の研究開発費の増加によって、ファウンドリー事業の利益が減少したことを説明している。同社は、最先端の2nm GAA(Gate-All-Around)トランジスタ技術は開発中で、4nmプロセスはHPC製品向けに生産中だと述べていた。
【翻訳:田中留美、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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