レゾナックは、次世代半導体パッケージ基板向けに熱膨張係数が小さい「銅張積層板」を開発した。温度サイクル試験により従来製品に比べ4倍の寿命を確認、100mm角を超えるサイズの半導体パッケージにも対応できるという。2026年から量産を始める。
レゾナックは2025年2月、次世代半導体パッケージ基板向けに熱膨張係数が小さい「銅張積層板」を開発したと発表した。温度サイクル試験により従来製品に比べ4倍の寿命を確認、100mm角を超えるサイズの半導体パッケージにも対応できるという。2026年から量産を始める。
半導体パッケージ基板は大型化が進む。これに伴い、「基板の反り」が課題となっている。これを防ぐには、基板のコア材料となる銅張積層板の熱膨張係数を小さくすることが有効といわれている。温度サイクル試験で冷却を行うと、熱膨張係数が異なる他の材料との間でクラックが発生しやすくなるという。クラックを低減するには、銅張積層板の弾性率を低くするなど対処方法はあるものの、銅張積層板は複数の材料で構成されているため、これを解決するのは難しかったという。
そこで今回、銅張積層板の樹脂とガラスクロスからなるコア層に、「マルチスケールFEM解析」を適用した。これによって、クラックが発生しやすい、コア層の樹脂にかかる局所的な応力を詳細に解析し、樹脂の特定物質を制御した。これらの解析結果に基づき、銅張積層板に発生する応力を低減した。
レゾナックは、材料ごとに設計指針を可視化できる汎用的な「物性可視化システム」を構築し、社内展開することにした。このシステムを活用すれば、ユーザーが材料の物性を入力すれば、「反り」などの変化についてその傾向を可視化できるという。
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