レゾナックは、先端半導体デバイスの製造工程で用いられる「仮固定フィルム」と「剥離プロセス」を新たに開発した。クリーンなプロセス導入により、高い歩留まりと生産性向上を実現する。
レゾナックは2024年9月、先端半導体デバイスの製造工程で用いられる「仮固定フィルム」と「剥離プロセス」を新たに開発したと発表した。クリーンなプロセス導入により、高い歩留まりと生産性向上を実現する。
半導体デバイスの製造工程では、仮固定材を用いてウエハーやパッケージを一時的にガラスキャリアなどへ接着する。必要な加工を終えると、ウエハーやパッケージは仮固定材とともにキャリアから剥がす。その後、残った仮固定材も除去することになる。この時、ウエハーやパッケージにダメージを与えず、クリーンに短時間で剥がす必要がある。ところが、レーザー照射による一般的な剥離方式だと、「すす」のような異物が発生するため課題となっていた。
新たに開発した仮固定フィルムは、高い耐熱性と耐薬品性を備え、仮固定時の接着性にも優れている。一方、キャリアから剥がした後は、常温で簡単に残留物を残すことなく除去できるという。キャリアから剥がす方式としては、Xe(キセノン)フラッシュ光照射を採用した。従来に比べ大面積を一括照射でき、瞬間的に高いエネルギーを出力できるからだ。
しかも、ガラスキャリア上に形成した金属層を局所的に加熱、変形させることで、ウエハーやパッケージに熱や物理的な負荷をかけることなく、短時間で剥がすことができる。「すす」のような異物を発生することもないという。
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