TDKは、日本酒の味や香り、ガス感を視覚化するシステム「Sake Sensing System」を発表した。味わいを特徴づける成分を解析し、その結果をレーダーチャートで表示するものだ。
TDKは2025年2月13日、日本酒の味や香り、ガス感を視覚化するシステム「Sake Sensing System」を発表した。味わいを特徴づける成分を解析し、その結果をレーダーチャートで表示するものだ。同日からサービスを開始する。
TDKは、2016年から人材研修として社内ベンチャーの取り組みを行っている。今回の日本酒解析事業もその一環だ。日本酒に着目したのは、TDKが電子部品事業で培った素材解析技術やソフトウェア/AIに関するノウハウを活用できることに加え、TDK創業者の齋藤憲三氏の出身地であり製造拠点も位置する秋田県の名産品であることが理由だという。
TDKは、消費者が日本酒を飲まない理由の1つに「どんな味か分からない」というものがあると考え、日本酒の味わいを客観的に示すシステムの開発に着手した。
Sake Sensing Systemの仕組みは、日本酒に含まれる約100種類の成分を測定し、そのデータを独自開発のソフトウェアに取り込んでレーダーチャートとして出力するというものだ。
レーダーチャートは味を表す緑の五角形、香りを表す赤と黄色の外環、ガス感(発泡の度合い)を表す泡のイラストで構成されている。味覚だけでなく嗅覚や触覚についても表示することで、実際に飲んだときの感覚を分かりやすく表現できるという。
味は「甘さ」「酸味」「余韻(味が持続する時間の長さ)」「濃淡(味の強さ/濃厚さ)」「複雑さ(苦みなど)」の5項目を表示。香りは赤がフレッシュなフルーツの香り、黄色が甘いフルーツの香りを示す。ガス感を表す泡のイラストは、泡が枠内に満ちるように描かれていればスパークリング日本酒、中ほどであれば微発泡で、泡のイラストがなければガス感がないことを意味する。
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