Alteraは、エッジ向けFPGAの新製品「Agilex 3」の受注を開始した。同社CEOのSandra Rivera氏は「Alteraは業界で唯一、エッジ向けから最高性能のシステムまでのポートフォリオを持つ独立系のFPGAサプライヤーだ。世界一のFPGAプロバイダーになりたい」と語った。
Alteraは2025年3月、エッジ向けの新しいFPGAと事業戦略についての記者会見を実施した。AlteraがIntelの1部門から独立子会社になった2024年1月1日以降、日本では初めての記者会見だった。
Altera CEOのSandra Rivera氏はIntelからの独立を受けて「Alteraは業界で唯一、エッジ向けから最高性能のシステムまでのポートフォリオを持つ独立系のFPGAサプライヤーだ」と強調する。「Alteraのビジョンはさまざまな規模感やユースケースに対応した使いやすいソリューションを提供することである。将来に向けては、ウォーターフォールの最初から最後まで徹底的に自社のIP(Intellectual Property)を再利用し、業界をリードするFPGAを提供することで、世界一のFPGAプロバイダーになりたい」と述べた。
Alteraは、消費電力やコスト、サイズの制約が厳しいエッジ向けの製品としてこれまで「MAX」「Cyclone」を展開していたが、2025年3月にドイツ・ニュルンベルクで開催された展示会「embedded world 2025」に合わせて新たに「Agilex 3」の受注開始を発表した。第2世代のHyperflexアーキテクチャを採用し、従来品である「Cyclone V」と比べて消費電力を最大38%低減、性能は最大1.9倍に向上した。
ロジックエレメント(LE)数は2万5000〜13万5000で、Arm-Cortex A55コアを2つ搭載。トランシーバー転送速度は12.5Gbps、AI処理性能は最大2.8TOPSだ。
Rivera氏は「Agilex 3は高い計算能力をエッジでも提供し、遅延も最小限に抑える。自動車や産業IoTといったスピードが求められる用途には最適だ。また、柔軟性が高いため、特定のタスクに対して適切なリソース構成が実現する。セキュリティ管理機能『セキュア・デバイス・マネジャー(SDM)』によってデータ処理の安全性も確保している。Agilex 3は組み込み機器市場におけるAlteraの地位を確固たるものにしてくれる」と述べた。
用途としては、データセンターの電力マネジメントやシステムモニタリング、ロボット制御やスマートファクトリー、モビリティの物体検知や衝突回避、画像診断を行う医療機器などを想定しているという。
同記者会見に登壇したAltera Japan 社長のSam Rogan氏は日本の半導体業界について「有線/無線通信、医療機器や産業機器、自動車、民生機器、計測器まで全ての市場があることが魅力的だ。今後はAI市場も立ち上がるだろう。これまでAI市場では学習が注目されていたが、エッジでの推論も重要になってくる。それを得意とするのがAgilex 3だ。Alteraとしてもエッジでの推論に注力したい」と語った。
さらにRogan氏は「この数年、各省庁が日本の半導体業界を盛り上げようとエネルギーを使っているが、エンジニアが不足している。Alteraでもユニバーシティープログラムを検討している」とした。
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