Infineonは2025年4月7日、Marvellの車載イーサネット事業を25億米ドルで買収する契約を締結したと発表した。これによって、ソフトウェア定義車両(SDV)向けの開発を加速し、ヒューマノイドロボットなどの隣接分野も狙うという。
今回の発表では、Marvellの車載イーサネット事業の顧客には、主要自動車メーカー10社のうち8社を含む50社以上の自動車メーカーが含まれていることが強調された。同事業の2030年までのデザインウィン案件は約40億米ドル相当で、Infineonが世界の自動車メーカーにアクセスすることでさらに加速する可能性が高いことから、2025年には2億2500万〜2億5000万米ドルの売上高と約60%の粗利益率を見込んでいる。研究開発力の統合とInfineonの生産能力の活用によるコスト面での相乗効果も期待される。
InfineonのCEOであるJochen Hanebeckは「この買収は、自動車業界向け半導体ソリューションの世界ナンバーワンプロバイダーであるInfineonの戦略に非常に適している。当社は、この補完性の高いイーサネット技術を、既存の幅広い製品ポートフォリオと組み合わせて活用し、SDV向けのより包括的で先進的なソリューションを提供する。この買収はヒューマノイドロボットなどのフィジカルAI分野における新たな機会を含め、今後の収益性の高い成長戦略を支援するものだ」と述べている。
この取引は、規制当局の承認を含む通常の完了条件の対象で、2025年中に完了する予定だ。
【翻訳:田中留美/滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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MarvellがInfineonに車載イーサネット事業売却、25億米ドルでCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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