OKIサーキットテクノロジーは、広帯域メモリ(HBM)向けウエハー検査用に124層プリント配線板(PCB)を開発した。板厚を7.6mmに抑えたままで、従来比15%の多層化に成功した。
OKIグループのプリント配線板(PCB)事業を手掛けるOKIサーキットテクノロジー(以下、OTC)は2025年4月24日、広帯域メモリ(HBM)向けウエハー検査装置用に、124層PCBを開発したと発表した。従来の108層から約15%多層化した。半導体検査装置用に多層/高精細/大型のPCBを開発、生産する上越事業所(新潟県上越市)において、同年10月までに量産技術の確立を目指す。
AI演算においてGPUとともに需要が急増しているHBMは、ウエハーを高精度で薄く加工する。そのため、検査装置用PCBにも、より高い性能と品質が求められるようになっている。
さらに、最新の半導体では、信号数が多く、プロセスの微細化でウエハー搭載チップ数も増加するので、検査装置用PCBは高密度化と積層数の増加が必要になる。一方、各種の制約により板厚を7.6mmに抑える必要があり、これまでは108層が限界だった。今回OTCは、極薄材料の開発や、極薄材料に対応した治工具、ハンドリング技術を開発した他、同社独自の極薄材料自動搬送装置を開発し、ラインに導入することで、板厚を7.6mmに抑えつつ124層の多層化に成功した。
OKIはリリースで、EMS事業に積極的に取り組んでいて、特にPCB事業での技術開発を重視しているとコメント。AI半導体や航空宇宙、防衛、ロボット、次世代通信など、今後の成長が期待される分野に対応すべく今回の124層PCB技術を開発したと述べた。
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