大規模かつグローバルな製造拠点と積極的な技術ロードマップは、Intelのファウンドリーに対する野心を支援するものとなる。同社は、全世界10カ所に15のウエハー製造施設を保有する。米国アリゾナ州やニューメキシコ州、オレゴン州に大規模な製造事業を展開している他、海外ではアイルランドやイスラエルに主要な製造拠点を置く。
Intelは現在、世界的に大規模な拡大プロジェクトを進めているところだ。例えば、アリゾナ州では320億米ドルを超える資金を投じ、2つの新しい最先端工場を建設している他、ニューメキシコ州では40億米ドル超を投じて先進パッケージングを拡充し、オレゴン州では新たに300mmロジック/ファウンドリー工場の建設を進めている。
オハイオ州の非常に野心的なプロジェクトでは、2つの新工場の建設に280億米ドル超が投じられているが、スケジュールに大幅な遅れが生じ、稼働開始は2030年〜2032年頃になる見込みだという。
世界的な規模拡大としては、アイルランドの「Fab 34」でIntel 4プロセスの量産を開始し、2025年には3nm(Intel 3)での製造を開始する予定である他、イスラエルの「Fab 38」ではEUV(極端紫外線)リソグラフィを使用して高性能チップを生産、マレーシアとポーランドでは新しい先進パッケージング/組み立て工場が稼働するという。
Intelの技術進歩は、同社のファウンドリー戦略において非常に重要だ。同社は今や、「5N4Y(5 Nodes in 4 Years:5年以内に4つのノードを立ち上げる目標)」戦略をほぼ達成しつつある。極端紫外線(EUV)リソグラフィを使用する「Intel 3」プロセスは、既にオレゴン州で量産に入っており、外部顧客によるトライアルが行われている。
大きく期待されている「Intel 18A」プロセスノードは、Intelの未来にとって非常に重要な存在であり、2025年内には量産を開始する見込みだ。「RibbonFET」や「PowerVia」のような革新的技術を搭載し、性能/効率性の面で既存のTSMC製品を上回る可能性がある。
さらにIntelは、外部顧客が利用できるよう、3つ目の最先端ノードとなる「Intel 14A」の開発を進めているという。high-NA EUVリソグラフィを使用し、2026年後半にはリスク生産を開始する予定だ。
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