初期の兆候から、IFSが重要な顧客企業から支持を得ていることが分かる。Amazon Web Services(AWS)との協業を拡大していく中で、複数年に及ぶ数十億米ドル規模のフレームワークを構築し、IFSが最先端プロセスであるIntel 18Aを適用したAIファブリックチップや、Intel 3プロセスによるカスタムチップ「Xeon 6」の製造を手掛けているという。
またMicrosoftも、将来的に半導体設計でIntelの18Aプロセスを使用することを確約しており、ファウンドリー事業関連の取引総額は150億米ドルに達すると報じられている。
さらにIntelは、米国政府の「CHIPS and Science Act(CHIPS法)」に基づき、国家安全保障に向けて最先端半導体の信頼性の高い製造の拡大を目指す「Secure Enclave」プログラムにおいて、最大30億米ドルの資金提供を獲得している。同社は2024年2月の時点で、ファウンドリー事業の累計取引総額が150億米ドルを超えたという。
Intelは潜在的なファウンドリー顧客として、NVIDIAやGoogleのような他の大手プレイヤーを検討しているという。報道によると、NVIDIAやBroadcom、AMDなどは、Intelの18Aプロセスで評価や初期のテストランを実施しているとされる。
Intelは前進しているが、TSMCという手ごわい競争相手に直面している。TSMCは、最近開催した「2025 North America Technology Symposium」において、次世代の「A14」プロセスノードを発表し、CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)やSoW(System on Wafer)-Xなどのパッケージングにおける進展を強調した。このような進歩は、AIによってけん引される、“より多くのロジックメモリや広帯域メモリ(HBM)への飽くなき需要”に対応することを目指すためのものだ。
TSMCのCEOであるCC Wei氏は、Intelとの合弁事業や技術移転に関する協議の報道を否定した。TSMCの事業に詳しい情報筋は、Intelの工場をTSMCの基準に合わせて改造するにはコストも時間も掛かると示唆している。
Tan氏は決算説明会で「Intelはかつて世界で最も革新的な企業として広く認められていた。改善に向けて進化を続ける限り、再びその地位に戻ることができると確信している」と述べて、締めくくった。
今後数カ月は、Intelが方向転換し、半導体業界でリーダーシップを取り戻せるかどうかを決定する上で極めて重要な期間になるだろう。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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