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ファウンドリー事業への野心燃やすIntel 鍵は「18A」少数でも「超大手」の顧客(1/4 ページ)

IntelのCEOにLip-Bu Tan氏が就任して初めてとなる四半期決算が行われた。決算は当初の予想を上回る結果だったが、Intelが直面する深刻な状況に変わりはない。改善の鍵の一つとなるのがファウンドリー事業だ。

» 2025年05月02日 11時30分 公開
[Pablo ValerioEE Times]

 Intelは重大な岐路に立たされている。2025年4月24日(米国時間)に発表された決算では、同社が直面する深刻な課題が浮き彫りとなったことから、大規模な人員削減やファウンドリー事業へのさらなる注力が発表される可能性もある。

 Intelは「世界の従業員の20%以上となる大規模な人員削減を発表する見通し」と報じられる中、受託チップ製造における有力な存在として自らを再構築することを目指して、大胆な変革を積極的に推進している。これは、TSMCの長年にわたる優位性に真っ向から挑むものである。

 2025年第1四半期の収益報告書は、Lip-Bu Tan氏のリーダーシップの下で初めて公表された財務報告となった。Tan氏は、第1四半期は「正しい方向への一歩」だったと述べたが、市場シェアを取り戻し、持続可能な成長を推進するための「手っ取り早い解決策はない」と認めた。

Intel CEOのLip-Bu Tan氏 出所:Intel Intel CEOのLip-Bu Tan氏[クリックで拡大] 出所:Intel

決算は当初の予想を上回る

 決算は当初の予想を上回るものだった。Intelの売上高は127億米ドルで、前年同期からは横ばいで、1月に発表した業績見通しの中央値を5億米ドル上回った。同社は第1四半期の業績を、売上高、粗利益率、1株当たり利益(EPS)に関して「堅調」かつ「予想を上回った」と評価した。

 収益性も当初の予想を上回った。アナリストらは、同社の2025年第1四半期の調整後EPSを0.14米ドルの損失から0.01米ドルのわずかな利益の範囲と予想していたが、実際のEPSは非GAAPベースで0.13米ドルだった。

 これは1月見通しを0.13米ドル上回ったものの、2024年第1四半期(0.18米ドル)からは28%の減少となった。GAAPベースの1株当たり損失は0.19米ドルだった。同四半期の非GAAPベースの粗利益率は39.2%で、1月の見通しを3.2ポイント上回ったが、前年同期比では5.9ポイント減少した。

 サーバ部門は、苛烈な競争により業績が低迷していると報じられている。PCプロセッサに注力するClient Computing Group(CCG)の売上高は、前年同期比8%減となる76億米ドルだった。2025年第2四半期の見通しには、依然として続く不確実性が反映されている。

 Intelは、第2四半期の売上高を112億〜124億米ドル、非GAAPベースのEPSを0.00米ドル、粗利益率を36.5%と予想している。Intelの最高財務責任者(CFO)を務めるDavid Zinsner氏は、この見通しの中で「現在のマクロ経済環境が業界全体に高い不確実性をもたらしている」と指摘した。

 アナリストらは、予想される関税に備えて顧客がPCチップを備蓄し、短期的に売り上げが増加する可能性によって、こうした潜在的な弱点が覆い隠され、後に在庫問題につながる可能性があると警告している。

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