Infineonは、次世代車載マイコンにRISC-Vコアを採用する。ソフトウェア定義型自動車(SDV)への移行を見据え、拡張性や柔軟性の高さに注目していることが理由だ。標準化やソフトウェア開発の支援にも取り組む。
Infineon Technologies(以下、Infineon)は2025年3月、次世代車載マイコンにRISC-Vコアを採用することを発表した。それを受けて日本法人であるインフィニオン テクノロジーズ ジャパンは2025年4月、記者説明会を開催し、InfineonのRISC-Vへの取り組みを紹介した。
説明会に登壇したインフィニオン テクノロジーズ ジャパン 社長の神戸肇氏は、TechInsightsの調査結果を引用し、Infineonの車載事業全体の状況について「グローバルの車載半導体市場シェアで5年連続1位を獲得した。自動車産業の主要5地域(北米/欧州/中国/韓国/日本)で見ても、いずれも1位あるいは2位だった。これは、どこの地域の自動車メーカーが成長してもInfineon製品がそこに搭載されることを意味する」と述べた。
中でもマイコンは、2024年の世界シェアが32.0%と好調だ。現在のInfineonの車載マイコンポートフォリオは、独自コアである「Tricore」をベースにエンジンやシャシーに向けた高性能制御志向の「AURIXシリーズ」、Armコアベースで消費電力を最適化したボディー向けの「TRAVEO」、同じくArmコアベースでセンシング向けの「Auto PSOCシリーズ」がある。神戸氏は「これらのマイコン製品群は引き続き新製品を展開していくが、4つ目の選択肢としてRISC-Vマイコンを用意する」と説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.