クラボウは「JPCA Show 2025」に出展し、高速3次元(3D)ビジョンセンサー「KURASENSE(クラセンス)」の新製品である「Kurasense-C300FX」を紹介した。線状物の認識に特化していて、束で置かれたケーブルの中から1本の把持位置を認識できるものだ。
クラボウは「JPCA Show 2025」(2025年6月4〜6日、東京ビッグサイト)に出展し、高速3次元(3D)ビジョンセンサー「KURASENSE(クラセンス)」の新製品である「Kurasense-C300FX」を紹介した。線状物の認識に特化していて、束で置かれたケーブルの中から1本の把持位置を認識できるものだ。
電子デバイスや自動車の製造現場では自動化が進んでいるが、ワイヤハーネスの製造やはんだ付け工程は自動化が困難だった。ケーブルは曲がったりねじれたりと形状が定まらないからだ。
もともと繊維事業を中心としていたクラボウは、染色工場の調色や計量のデジタル化を進める中で情報処理や画像処理の技術を培ってきた。そうした高速画像処理技術と3D計測技術を生かして2020年に発表したのが柔軟物や不定形物の認識に特化したKURASENSEだ。
Kurasense-C300FXは2025年5月に発売した新製品で、複数のレーザー照射で線状物を認識し、束で置かれたケーブルの中から特定の1本の把持位置を正確に認識する独自技術を用いている。細いケーブルにも対応していて、直径125μmの光ファイバーも認識できるという。
Kurasense-C300FXはレーザーやステレオカメラで対象物の形状や位置を認識し、ロボットアームと組み合わせて使用するものだ。製造現場の自動化に貢献するロボット向けのセンサーにはAIを取り入れたものも多いが、同製品はAIを使用していない。「同じ形状のものであればAI学習の意味があるが、ケーブルはそもそも太さや長さが多種多様であるうえ、同じケーブルでもどんな形状にもなるので、その都度個別に判断するしかない」(ブース説明員)
クラボウは今後も、ケーブルや小さなネジ/部品などに対応したビジョンセンサーを展開していくとしている。
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