ソニーセミコンダクタソリューションズが、520dToF画素でフレームレートが20フレーム/秒(fps)と「最速」(同社)の車載LiDAR向け1型 積層型dToF方式SPAD距離センサーを開発した。高解像度と高速性を両立する独自のデバイス構造によって実現。2025年秋に量産予定だ。
ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、ソニーセミコン)は2025年6月10日、520dToF画素で20フレーム/秒(fps)と「最速」(同社)を実現した車載LiDAR向けの1型 積層型dToF(直接Time of Flight)方式SPAD(Single Photon Avalanche Diode)距離センサー「IMX479」を開発したと発表した。
高解像度と高速性を両立する独自のデバイス構造によって実現したもので、自動運転レベル3以上の実用化に向けて高まる性能への要求に応える。2025年秋に量産予定で、サンプル価格(税込み)は3万5000円だ。
IMX479では、ラインスキャン方式の精度を高めるため最小3×3(水平×垂直)のSPAD画素の組み合わせを1dToF画素として用いている。この裏面照射型のdToF画素を用いた画素チップと、新開発の測距処理回路などを搭載したロジックチップを、Cu-Cu接続を用いた積層構造によって1チップ化。10μm角の微細な画素サイズで520dToF画素の高解像度を実現した。
新開発の測距処理回路は、複数処理を並列化して高速処理性能を向上するもので、これらの技術によって520dToF画素の高解像度SPAD距離センサーとして「最速」という20fpsを達成したとしている。
また、垂直方向における0.05度相当の角度分解能も実現し、垂直方向の検知精度を従来品(IMX459)と比べ2.7倍に向上。車載LiDARで重要となる立体物検知において、250m先にある高さ25cmの物体(タイヤ等の道路上の落下物を想定)も立体物として検知可能となったとしている。
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