JDIの液晶の知見、先端半導体パッケージングの中核技術に:セラミック基板に高精細RDL
ジャパンディスプレイ(JDI)は「JPCA Show 2025」に台湾を拠点に先端半導体パッケージングやセンサーを手掛けるPanelSemiと共同で出展し、セラミック基板上に高精細RDL(再配線層)配線を形成したサンプルを展示した。
ジャパンディスプレイ(JDI)と台湾を拠点に先端半導体パッケージングやセンサーを手掛けるPanelSemiは「JPCA Show 2025」(2025年6月4〜6日、東京ビッグサイト)に共同で出展し、セラミック基板上に高精細RDL(再配線層)配線を形成したサンプルを展示した。
セラミック基板上に高精細RDL(再配線層)配線を形成したサンプル[クリックで拡大]
セラミック基板上に高精細RDL(再配線層)配線を形成したサンプル[クリックで拡大]
AIや高性能コンピューティング(HPC)の需要が伸長する昨今、半導体パッケージング技術のさらなる革新が求められている。中でもガラスやセラミックなどの新素材を用いた高性能基板には、従来の有機基板では実現困難だった高精細配線や寸法安定性、熱膨張制御の課題解決が期待されている。特に、RDLの高精細配線を実現する技術は、先端半導体パッケージングの中核として注目されているという。
JDIは現在、ディスプレイ事業の技術やアセットを活用した半導体パッケージング事業の拡大を図っている。2025年2月には、PanelSemiと提携してガラスをキャリアとした有機インターポーザーや半導体パッケージング用セラミック基板を共同で開発し、JDI石川工場で生産する計画を発表していた。
今回展示したセラミック基板上の高精細RDL配線は両社の提携の一環だ。JDIがディスプレイ事業で培ってきたガラス基板での高精細加工技術を活用している。高精細RDL配線は、配線幅/間隔を数ミクロンレベルまで微細化できるので、複数のチップを最短距離で収められるという。これによって信号遅延の抑制や消費電力の削減も期待できるほか、設計の自由度も高まる。
高精細RDLセラミック基板の利点[クリックで拡大] 出所:ジャパンディスプレイ
基板材料にセラミックを採用したのは、従来の有機基板と比べて反りが少なく、熱膨張や放熱性の問題も軽減されるためだ。セラミックの熱膨張係数はシリコン(Si)と近いので、チップとの熱膨張差が小さく、機械的ストレスを低減できる。
赤字拡大のJDI、国内1500人削減へ CEOのキャロン氏は辞任
ジャパンディスプレイ(JDI)の2024年度通期業績は、売上高は前年比21%減の1880億円、営業損失は同29億円拡大し371億円の赤字、当期純損失は同339億円拡大し782億円の赤字だった。国内で1500人規模の人員削減を行うという。
小型液晶反射板でミリ波5Gエリアを拡大 JDIらが開発
ジャパンディスプレイ(JDI)とKDDI、KDDI総合研究所は、開発した可搬型のミリ波(28GHz帯)用液晶メタサーフェス反射板を実環境に設置して、電波の反射方向や範囲を変更させて、ピンポイントに電波を届ける実証実験に成功した。
「予想通り」赤字拡大のJDI、半導体パッケージング事業で収益確保へ
ジャパンディスプレイ(JDI)は、2024年度第3四半期(2024年10〜12月)の業績を発表した。売上高は前年同期比33%減の405億円、営業利益は同20億円減で83億円の赤字だった。当期純利益は同227億円減で319億円の赤字だった。
ディスプレイを「分身」させる技術を開発、JDI
ジャパンディスプレイは2024年8月2日、見る角度によって異なる2つの映像を表示することができる2 Vision Displayにおいて、HD相当の画質を実現した新製品を発表した。同製品には、タッチ操作した人を識別する「Double Touch」機能も搭載している。
観葉植物がタッチパネルに!? JDIの新センサー技術
ジャパンディスプレイは、「Smart Sensing 2024」(2024年6月12〜14日/東京ビッグサイト)に出展し、金属以外のあらゆるものを「タッチパネル」にするセンサー技術「ZINNSIA(ジンシア)」や、さまざまな用途で使用した場合のデモも展示した。
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