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「N2」SRAMの歩留まりは90%以上 技術開発も好調のTSMCA16/A14の開発も進む(1/2 ページ)

TSMCは同社顧客向けの技術発表会「TSMC 2025 Japan Technology Symposium」を開催。TSMC ジャパン 社長の小野寺誠氏、TSMC Senior Vice President 兼 Deputy Co-COO(副共同最高業務執行責任者)のKevin Zhang氏が同社の先端プロセスに関する取り組み状況などについて語った。

» 2025年06月24日 10時45分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 TSMCは2025年6月11日、同社顧客向けの技術発表会「TSMC 2025 Japan Technology Symposium」を開催した。基調講演にはTSMCジャパン社長の小野寺誠氏、TSMCのSenior Vice President兼Deputy Co-COO(副共同最高業務執行責任者)を務めるKevin Zhang氏が登壇し、同社の先端プロセスに関する取り組み状況などについて語った。

2024年は日本市場にウエハー149万枚を出荷

 小野寺氏は、ロボットや自動車が自律的に行動するAI技術「フィジカルAI」の時代がやってくると強調する。シティグループによると、2035年までに1億3000万台のAIロボットが配備され、その数は2050年までに40億台に達すると推測されている。なお、そのうち6億5000万台はヒューマノイドロボットが占めるという。2030年までに自動車の10台に1台が自動運転車になるという予測もある。

 小野寺氏は「AIはクラウドからエッジへ普及してよりアクセスが容易になり、AIを取り巻く状況は再形成されていくだろう。そうした『AIの民主化』の実現には、より小型で高性能なトランジスタとより強力な計算能力、より優れたエネルギー効率が必要だ」とし、「そこでTSMCの出番だ。私たちは先進的なトランジスタとヘテロジーニアスなアーキテクチャの分野でイノベーションを起こし、AI需要の高まりに応えている」と述べた。

TSMC ジャパン 社長の小野寺誠 TSMCジャパン社長の小野寺誠[クリックで拡大] 出所:TSMC

 TSMCの日本市場での売上高は、1997年には1億5000万米ドルだったが、2010年には6億米ドル、2024年には40億米ドル以上に達した。また、これまでの出荷量は12インチウエハー換算で1200万枚以上で、近年の需要増によって2024年は149万枚を超えたという。小野寺氏はTSMCが日本での採用活動や研究開発施設への投資を活発に行っていることを紹介し、「業界最先端のテクノロジーを提供し、顧客の製品イノベーションをサポートしていく」とアピールした。

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