メディア

Si廃棄物とCO2からSiCパワー半導体材料を作製へレゾナックと東北大学が共同研究

レゾナックと東北大学大学院工学研究科、シリコン廃棄物(シリコンスラッジ)と二酸化炭素(CO2)を用いて、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体材料を作製するための研究を共同で行う。

» 2025年07月10日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

SiC粉末100トン当たりのCO2削減効果は110トン相当と試算

 レゾナックと東北大学大学院工学研究科は2025年7月、シリコン廃棄物(シリコンスラッジ)と二酸化炭素(CO2)を用いて、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体材料を作製するための研究を共同で行うと発表した。

 両者はこれまで、シリコンウエハーの製造工程で生じるシリコンスラッジとCO2をマイクロ波で加熱すれば、高純度のSiC粉末を合成できるプロセスを開発。その上で、再資源化したSiC粉末をSiC単結晶材料の成長用原料として活用するための基礎検討を行ってきた。

 今回、結晶の特性把握など基礎検討が完了したため、引き続きSiCパワー半導体材料の結晶成長に応用するための検討を本格的に始めることとした。開発する技術が実用化できれば、SiCパワー半導体は製品として省エネルギー化に貢献できるという。

 しかも、製造工程におけるCO2の排出量削減や、シリコンスラッジとCO2の再資源化など、ライフサイクル全体で環境負荷を低減することが可能となる。研究グループでは、SiC粉末100トン当たりのCO2削減効果は110トンに相当すると試算している。

シリコンスラッジとCO<sub>2</sub>の再資源化イメージ[クリックで拡大] 出所:レゾナック、東北大学 シリコンスラッジとCO2の再資源化イメージ[クリックで拡大] 出所:レゾナック、東北大学

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.