スマートエナジー研究所は「TECHNO-FRONTIER 2025」(2025年7月23〜25日、東京ビッグサイト)に出展し、パワーエレクトロニクス向けの高速回路シミュレーター「Scideam(サイディーム)」を紹介した。
スマートエナジー研究所は「TECHNO-FRONTIER 2025」(2025年7月23〜25日、東京ビッグサイト)に出展し、パワーエレクトロニクス向けの高速回路シミュレーター「Scideam(サイディーム)」を紹介した。
Scideamは電源開発やパワーエレクトロニクス開発に特化した回路シミュレーターだ。モーター制御システムの解析にも対応している。高速性と収束性が高く、かつ高精度で解析を行える独自のシミュレーションアルゴリズムを用いている。
最大の特徴は解析の速さだ。1回の解析に数分かかるシミュレーターもある中、Scideamは数秒で済む。ブースでは実際にシミュレーションを実行し、解析結果を得る様子が見られた。
「回路設計は部品やパラメータを少しずつ変える試行錯誤の繰り返しだ。高速な解析が短期間での設計につながる」(ブース説明員)
Scideamはもともと崇城大学 名誉教授の中原正俊氏が開発してアップデートを繰り返してきたもので、「国産」であることも強みだ。技術サポートを受ける際、外資系企業では日本の拠点を通した問い合わせで時間がかかる場合が多いが、スマートエナジー研究所では、状況によっては当日中の回答も可能だという。
炭化ケイ素(SiC)/窒化ガリウム(GaN)パワー半導体を用いた回路の設計にも対応している。
スマートエナジー研究所 社長の中村創一郎氏は「高周波用途のGaNパワーデバイスには寄生インダクタンスや寄生容量が大きな影響を及ぼすのでシミュレーションがより重要になる。その上、実際のハードウェアではスイッチング速度が速すぎてどのように動作しているか分かりにくく、シミュレーションで動作を推測するしかない場合もある。さっと高速に解析できるScideamはそうした場合にも適している」と説明する。
スマートエナジー研究所は、Scideamやオプション製品に加え、機能を制限した無償版も提供している。
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