図2はNVIDIA Blackwell GPUのエントリーモデル「GeForce RTX 5050」以外で採用されるGDDR7 グラフィックメモリと前世代のGDDR6Xのシリコン比較である。詳細はここでは記さないが、製造プロセスやシリコンサイズは別物。さらに内部の機能面積配分も大きく異なっている。GDDR7では、高速化するためにメモリのアクセス長を抑えていて、逆にIOやアンプなどの面積比率が大幅に増えている。見た目は広帯域メモリ(HBM)に近いものになっている。2025年1Qの時点でGDDR7はSamsungのものしか採用されていないが、2025年後半にはMICRONなどのGDDR7も出回ってくる(入手出来次第Samsung製とMicron Technology製を比較予定)。
図3はNVIDIA Blackwellのミドル、ミドルハイの「GeForce RTX 5060(5060Tiも同じシリコン)」「RTX 5070」のパッケージとシリコン上の型名である。NVIDIAはハイエンドからエントリーまでシリコン型名をカウントアップしている。GB205がRTX 5070、GB206がRTX 5060、7月に発売されたエントリーがGB207でRTX 5050となっている。いずれもシリコン上にはテープアウトの年号が搭載されており、2024年となっている。2024年に試作、評価を経て量産化された出来立てホヤホヤだ。NVIDIAはBlackwell GPUをゲーミングGPUだけでなく、生成AI向けのGB200、GB300、車載向けのDRIVE Thor、ワークステーション向けのDGX SPARKにも採用する。同一アーキテクチャの多分野展開となっているわけだ。端子数はRTX5060でも2088ボール。VRAMの帯域を上げるためと電源強化のためである。GPUのボール数はデスクトップPC向けのCPUよりも多いものになっている。Intelの最新Arrow Lakeは1851ボール、AMDのAM5が1718ボールだ。
図4はNVIDIA BlackwellのハイエンドのRTX 5080 GB203とスーパーハイエンドのRTX 5090 GB202の様子である。ともにミドルと同じ2024年の年号シリコン。端子数はRTX 5080とRTX 5070が共通(RTX 5070では未使用ボールあり)。パッケージを共通化することでコストを抑えているものと思われる。スーパーハイエンドのRTX5090はボール数もスーパーとなっており、5775ボールとなっている。多端子の中でもトップクラスだ(弊社確認の最大ボール数チップはApple M3 Ultraの7478!!)。
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