PCIMの会場では、同社の第4世代SiC(炭化ケイ素) MOSFETを採用したSchaefflerのトラクションインバーターなど、SiC製品も数多く展示していた。
ロームは2024年6月に、xEV(電動車)用のトラクションインバーター向けで、2in1仕様のモールドタイプSiCパワーモジュール「TRCDRIVE pack」を発表。トラクションインバーターは、xEVにおける各アプリケーションの市場の大半を占める「車載SiCの主戦場」であり、同製品によって市場でのシェア拡大に向けた取り組みを本格化した。
2024年11月に開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」では、同製品を初採用したフランスの自動車部品大手Valeoのインバーターを初公開していた。
SiCパワーデバイス事業本部 SiCパワーモジュール事業部 統括課長である林健二氏は「TRCDRIVE packの反響は良く、これまで話ができていなかったような顧客も増えてきて、手応えを感じている。モジュールは競合もイミテーションしてきていて、その価値も間違いないことが分かっている」と強調。そのうえで、同モジュールを拡販する中で出てきた顧客の声を反映し、電極の空間距離を長くしたり、センシングの端子を増やしたり、ピンの精度を向上させたりといった改善も実施。この新モデルについても、既に採用が決定していて2027年にも量産開始予定といい、シェア拡大に向けた着実な取り組みを進めているという。
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