矢野経済研究所は、家庭用と企業・業務用の定置用蓄電池(ESS)市場について調査した。これによると2033年のESS世界市場(メーカーの出荷容量ベース)は、家庭用が2025年見込みに比べ3.45倍の53740MWhに、企業・業務用が同じく2.44倍の15939MWhになると予測した。
矢野経済研究所は2025年8月、家庭用と企業・業務用の定置用蓄電池(ESS)市場について調査した。これによると2033年のESS世界市場(メーカーの出荷容量ベース)は、家庭用が2025年見込みに比べ3.45倍の53740MWhに、企業・業務用が同じく2.44倍の15939MWhになると予測した。
今回の調査は、家庭用や企業・業務用で用いられるESSおよび、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、レドックスフロー電池、ナトリウム基盤電池などを対象にした。調査期間は2025年12月〜2025年6月である。
ESSは、自然災害や異常気象による停電リスクに備えた非常用電源用途や、ピークカットやピークシフトへの対応、発電した電力の自家消費ニーズの高まりなどから、需要が拡大している。カーボンニュートラルの実現に向けた政府・自治体によるインセンティブ制度の導入も追い風となる。
2024年のESS世界市場は、家庭用が13687MWh、企業・業務用は5733MWhとなった。2025年も好調で、家庭用は前年比113.7%の15557MWh、企業・業務用も同じく113.7%の6520MWhを見込む。
今後についても、自家消費に対する要求の高まりから家庭用のESS導入は続くとみている。太陽光発電システムを設置している家庭でもESSの普及率はまだ低く、ESS市場が拡大する余地は残されていると分析している。企業・業務用ESS市場についても事業継続計画(BCP)対策やピークカット・ピークシフト需要、各種インセンティブ制度の導入などが、市場拡大を後押しするとみている。
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