データ活用のトレンドは、NIの製品にも反映されている。計測器向け開発環境「LabVIEW」の2025年7月の最新版リリースでは、新機能としてAIアドバイザー「Nigel」を搭載した。NigelはOpenAIのモデルをベースにNIの技術資料から専門知識をコンテキストとして与えたもので、2025年9月現在、LabVIEWと「TestStand」で利用できる。今後他のソフトウェアにも展開していく予定だ。
NIが想定するLabVIEWでのNigelの使い方は、操作マニュアルのように用いたり、既に作成してあるプログラム(Virtual Instrument、VI)の解析をさせたりするというものだ。VIを解析させれば、チーム内での説明や業務の引き継ぎに利用できる。作成したVIが正常に機能するかどうかのテストするための条件出しも可能だ。さらに、LabVIEWでの計測対象となるハードウェアのスペックについての情報収集も行える。なお、今後はVIの生成にも対応することを目指しているという。
Nigelは顧客からも好評だといい、Sengupta氏は「ソフトウェアの最新版をリリースした際、通常はすぐには使わずに様子を見るユーザーも多いが、今回はすぐにアップデートして使っているユーザーが多い。過去5年間で最速レベルだ」と述べた。
「Nigelからアドバイスを受けて、LabVIEWや手持ちの計測器の新しい機能、使い方を知ったという顧客もいる。Nigelによって他の製品の潜在価値を表面化できる」(Sengupta氏)
NIはソフトウェアを重点投資分野の1つとして掲げていて、2025年は新規顧客も大幅に増えているという。コラーナ氏は「約40年間、NIはソフトウェアをベースにした差別化に取り組んできた。計測業界でもAIやデータ活用が盛り上がっているが、今後もNIがキープレイヤーであるべきだと思っている」と語った。
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