マクセルが、容量35mAhのコイン型全固体電池「PSB2032」を開発した。従来製品の4倍の容量を実現し、IoTデバイスの主電源に使用可能になった。2025年12月下旬から順次サンプル提供を開始する。
マクセルは2025年12月16日、容量が35mAhでIoTデバイスの主電源に使用可能なコイン型全固体電池「PSB2032」を開発したと発表した。同月下旬から順次サンプル提供を開始する。
同社は2019年にコイン形全固体電池を開発して以来、セラミックパッケージ型、バイポーラ型、円筒形などさまざまな形状の全固体電池の開発/研究を進めてきた。今回開発したPSB2032は、IoTデバイス向け主電源に適した外径20mm、高さ3.2mmサイズのコイン形全固体電池だ。
PSB2032は、量産中のセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」の約4倍となる35mAhの容量を実現し、IoTデバイスの主電源での使用が可能となっている。同時に、セラミックパッケージ型と同等の高密閉性(ヘリウムリーク試験において10−11(Pa・m3/sec)レベルを達成)を確保。さらに幅広い放電温度範囲(−50〜+125℃)、高い信頼性、高い安全性など、マクセル製全固体電池の特長も維持している。
PSB401010Hがリフロー実装に適したタイプであったのに対し、発表したPSB2032は小型機器への実装に適した接続端子付きタイプにして異なる実装方法に対応できるようになった。マクセルは「高い信頼性、高耐熱、高出力、大容量の4つの軸で、既存の電池では使用できなかった領域への適用を可能とする高性能/高信頼性の全固体電池開発を進めている。今後は、全固体電池とワイヤレス給電やエナジーハーベスティング技術などを組み合わせたモジュールの製品化も検討する」としている。
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