JDIは、収益性の低いディスプレイ事業の専業メーカーから脱却する「BEYOND DISPLAY戦略」を掲げる。現在は2026年度末の黒字化を目標に、コスト削減と収益向上による損益分岐点の低減に取り組んでいる。2024年度の損益分岐点は売上高3085億円だったが、2025年度は2521億円、2026年度には630億円まで引き下げる計画だ。JDI社長兼CEOの明間純氏は「2025年度通期の売上高は約2000億円になると予測していて、従来の発表よりも改善が進んでいる」と説明した。
外部環境も変化している。第一に、地政学リスクの高まりで日本国内の生産拠点がこれまで以上に重視されている。明間氏は「こうした変化はJDIには追い風だ。JDIのディスプレイ/センサー事業も安全保障上の重要な技術として再評価されている」と分析する。さらに、2026年2月に発表した米Kymetaとの協業による次世代衛星通信アンテナ用ガラス基板の開発も、防衛/政府向けの高信頼性通信などの分野で重要性が増しているといい、明間氏は「衛星通信分野でもJDIのプレゼンスが高まっている」とした。
第二に、フィジカルAIのトレンドが加速している。フィジカルAIにはセンサーを多く用いるので、ここでもJDIのセンサー技術が貢献できるとする。明間氏は「ディスプレイ発の各種センサー技術が、これからのAI社会を支える中核技術になろうとしている」と説明した。
BEYOND DISPLAY戦略の取り組みとして、JDIは半導体パッケージング分野にも注力している。ガラスコアやセラミックコアといったコア基板材料技術を有する企業と協業し、ディスプレイ事業で培った薄膜プロセスや高精細配線技術、量産技術を生かす考えだ。明間氏は「ディスプレイ由来の技術が全く新しい市場で付加価値を生む取り組みで、JDIの事業再構築を象徴している」と述べた。
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