ジャパンディスプレイ(JDI)は、2024年度第3四半期(2024年10〜12月)の業績を発表した。売上高は前年同期比33%減の405億円、営業利益は同20億円減で83億円の赤字だった。当期純利益は同227億円減で319億円の赤字だった。
ジャパンディスプレイ(JDI)は2025年2月13日、2024年度第3四半期(2024年10〜12月)の業績を発表した。売上高は前年同期比33%減の405億円、営業利益は同20億円減で83億円の赤字だった。当期純利益は同227億円減で319億円の赤字だった。
コア事業の車載/スマートウォッチ/仮想現実(VR)などは顧客需要の軟化で減収。ノンコア事業の液晶スマートフォンは戦略的な事業縮小によって減収した。営業利益は、製品ミックスの改善と固定費の削減を行ったものの、売上高減少の影響が大きく損失が拡大した。
JDIの会長兼CEOを務めるスコット・キャロン氏は業績について「予想通りだった」と述べ、背景として、ディスプレイ産業が収益を上げにくい構造的な問題があると説明した。半導体やセンサー、マイクロディスプレイは開発が進むと原則小型化していくのに対し、汎用ディスプレイは大型化していく。ディスプレイは大型化すると基板当たりの製品数が減少して設備投資も大きくなる一方で、販売単価は完全に連動するわけではないため、事業の経済性が減少していくのだという。
キャロン氏はJDIの現状について「赤字の止血策を早急に行うと同時に、1日も早くディスプレイ以外の収益源を作らなくてはいけない」とした。
決算発表に先立つ2025年2月12日には、茂原工場(千葉県茂原市)での生産を2026年3月に終了し、比較的固定費の安い石川工場(石川県川北町)に生産機能を集約することを発表した。
石川工場には茂原工場の設備を一部移設し、高付加価値ディスプレイ、センサー、先端半導体パッケージングを同時に生産する「MULTI-FAB」とする。柔軟性と生産性、コスト競争力が高く、幅広い顧客に対応できる生産体制を目指す。
茂原工場は今後、広大な面積や電力/水の供給設備を生かし、需要の高いAIデータセンターに転換、売却する考えだ。
茂原工場の生産終了に伴い、有機ELディスプレイ(OLED)は自社生産を中断する。次世代OLED「eLEAP」も茂原工場で生産を予定していたが、ファブレス化を進め、設備投資を削減しながら生産能力拡大を図る。キャロン氏は「ファブレスで成功するには唯一無二のIP(Intellectual Property)がなくてはならないが、eLEAPはそれにあたる。ファウンドリーパートナーとして数社が手を挙げてくれていて、現在協議中だ」と説明した。
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